社会保険労務士(社労士)試験は「誰でも受かる」のか?

「社会保険労務士試験は誰でも受かる。」という社会保険労務士試験の合格者の発言やコメントをたまに見聞きすることがあります。これについて、僕個人としての見解「半分は同感でき、もう半分は同感できない。」です(若しくは、同感できるが4で同感できないが6ですかね^^;)。

学力的には誰でも合格できる

確かに、「社会保険労務士試験の受験資格を満たしている方」や「そもそも社会保険労務士試験を受けようと考える方」であれば、正直「学力的(知的適応能力)には」誰でも合格できると僕も思います。

社会保険労務士試験の受験資格

社会保険労務士試験の受験資格には、主に次の3つがあります。

社会保険労務士試験の受験資格
  1. 学歴(例:大学、短期大学、専門職大学等を卒業した者)
  2. 実務経験(例:社会保険労務士又は弁護士の業務の補助の事務に従事した期間が通算して3年以上になる者)
  3. 厚生労働大臣の認めた国家試験合格(例:行政書士となる資格を有する者)

また、その他3.の厚生労働大臣の認めた国家試験合格には、次のようなものがあります(そうそうたる国家資格が並んでいますね^^;)。

  • 公認会計士試験
  • 弁理士試験
  • 税理士試験
  • 司法書士試験
  • 中小企業診断士試験
  • その他各種公務員(採用)試験など

上記の受験資格から、そもそも社会保険労務士試験を受けることができる方は一定水準の「学力(知的適応能力)」を持っていることが分かります。これが、僕が(「社会保険労務士試験の受験資格を満たしている方」や「そもそも社会保険労務士試験を受けようと考える方」ならば)誰でも合格できると考える理由です。

社会保険労務士試験の合格の条件

ではなぜ、毎年合格率が数%程度と低く、多くの方が不合格になっているかというと、次のような条件を満たしていないからだと思います(当たり前のことしか書いていません^^;)。

勉強時間を確保できる

社会保険労務士試験の合格には、膨大な勉強量、広い勉強範囲をこなすための勉強時間が必要となります。受験生の多くは社会人ですから、仕事や家事等以外の限られた時間で勉強しなければなりません。ましてや、長時間労働をせざるを得ないようなブラック企業にお勤めの方では、この勉強時間の確保すら簡単ではありません。

一説によると、社会保険労務士試験に十分勉強して臨む方は、受験生の約半数とのこと。ちなみに、残りの約半数の十分に勉強できずに(せずに)受験される方々を「無勉層」と言うらしいです。具体的には、健康保険法や年金科目等の社会保険科目まで十分勉強できずに受験日を迎えてしまった方々ですかね^^;僕もそうでしたが、一般的には、労働基準法や労働安全衛生法と言った労働関係科目から勉強を始め、終盤に社会保険関係科目や一般常識を勉強するため、納得はできますね。

ところで、日本は経済的な悪政、失策で20年以上デフレが続いており、経済的に厳しい方も多くいます(デフレは、物価の下落以上に実質賃金の低下を招き国民を貧困化させます)。ダブルワークをしなければ生活が厳しい方もいるでしょうし、経済的な厳しさも勉強時間の確保を難しくする要因の一つかもしれません。

複数年受験が可能である

勉強時間を十分確保できる方であれば、社労士試験に一発で合格することも可能だとは思いますが、おそらくは多くの方が複数年受験の末合格しているのではないでしょうか(ちなみに僕は3回目の受験で合格できました^^;)。合格するまで受験できる方であれば良いですが、社会保険労務士試験の受験生の多くは30代~40代ですから、職場では責任のある地位にある方が多いでしょうし、家庭では子育てが大変な時期かと思います。

また、選択式試験の足きり(特に社一や労一)がある以上、一度での合格は容易ではありません。どんなに勉強しても確実に合格できる保証はありませんし、現に択一式試験で高得点を取る実力者でも選択式の足きりにより不合格になっています。合格基準の補正措置(救済措置)に関しても、他の受験生の出来次第という運も影響します。

最後に

社会保険労務士試験の受験生の多くは30代~40代ですから、家族持ちの方も多いでしょう。受験に理解のある家族であればよいですが、僕個人としては、家族との大事な時間を何年も犠牲にしてまで取る資格ではないと思います^^;

そのため、複数年受験の末、社会保険労務士試験から撤退することは賢明な判断だと個人的には思います。どうしても社会保険労務士として働きたいという方であれば別ですが、限られた人生においてはもっと有意義なこと、やるべきことはたくさんあります。

話が脱線しましたが、「社会保険労務士試験は誰でも合格できるか」については、「勉強時間を確保でき、複数年受験が可能である」ならば、(社会保険労務士試験の受験資格を満たす方であれば)誰でも合格できるとは思います