社会保険労務士試験において、テキストに次いで重要なのが過去問題集です。
(おすすめのテキストについてはこちら。)
過去問ですから、どの問題集を使うかそこまで細かい点を気にしなくても良いとは思いますが、当時僕が比較検討した結果、過去問題集は辰巳法律研究所の『社労士過去10年分問題集』を選択しました。
過去問題集については、人によっては「過去10年分もある必要はない」とか「過去5年分で十分」と考える方もいるかとは思いますが、社会保険労務士(社労士)試験には「労務管理その他の労働に関する一般常識(通称、労一(ろういち))」という鬼門、運ゲーがありますので、その他の科目ではなるべく初見の問題を減らしたい(過去にはこういう問われ方をされたことがあったな、というのをなんとなくでも把握できる程度)という考えから、『社労士過去10年分問題集』を選択しました。
なお、「労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)」については過去問を解いても仕方がないので、この問題集は一度も使用せず、別途テキスト通読と一般常識対策の勉強をしました。
以下、『社労士過去10年分問題集』を選んだ理由と使用してみて良かった点、悪かった点を記載します。
目次
『社労士過去10年分問題集』を選んだ理由と良かった点
一問一答形式であること(重要)
五肢択一で年度別の形式の過去問題集も販売されていますが、個人的には一問一答形式のものよりも優位性があるとは思いませんでした。
社会保険労務士試験における択一式は五肢択一ですが、結局は一問一問正誤判断をするので一問一答の集合でしかありません。そのため、一問一問しっかりと正誤判断ができるよう、一問一答形式であるこの問題集を選びました。
年度別形式の過去問題集についても、結局は幅広い範囲の中から抽出した一部でしかありませんので、その年度の過去問を完璧にしたからと言って合格できません。また、年度別形式の過去問題集の使用を推奨する理由に「出題傾向の把握」を謳っているものもありますが、近年の出題傾向については以前ご紹介したテキスト(ユーキャンの速習レッスン)でも把握できますのでこの点についても優位性は無いと判断しました。
論点別であること(重要)
例えば、年次有給休暇一つとっても論点が沢山ありますよね。
- 年次有給休暇の発生要件
- 年次有給休暇の付与日数(一般の労働者と週所定労働時間が30時間未満の労働者)
- 計画的付与
- 年次有給休暇の時季指定と使用者の時季変更権など
これらが実際にどのように問われているのか、まとめて把握できる方が効率が良いと思いましたし、後から見返す際にも効率的に復習することができます。
また、同じ論点を問われてはいるものの、年度によってその問われ方は異なるということがままありますので、その点においても論点別にまとめられているこの過去問題集がおすすめです。
持ち運びしやすい
この『社労士過去10年分問題集』は、分野別に4冊に分けて販売されており持ち運びに便利です。
- 労働法編
- 労働保険編
- 社会保険編
- 年金編
『社労士過去10年分問題集』の悪い点
表紙が目立つ
悪い点と言いますか…表紙に思いっきり佐藤としみ先生の顔がプリントされており目立ちます。カバーはついておらず本に直接プリントされていました^^;気になる方はカバーをつけましょう。
(一冊にまとめられているものよりも)割高
こちらは当然と言えば当然なのですが、すべての科目・分野が一冊にまとめられている過去問題集が2,000円~3,500円程であるのに対し、この問題集を4冊すべて購入すると約5,600円になります。他のものと比べるとやや高くなってしまいますが、10年分というボリュームを考慮すると個人的には許容範囲です。
解説が若干簡素
個人的には解説が若干簡素かなという印象を抱きました。とは言え、問題の論点や内容についてはテキストを読み漠然とでも理解できていれば、その簡素さはあまり気にはなりませんし、寧ろ解説が簡素だったおかげで勉強がはかどったかなとさえ思います。
また、難問奇問や出題頻度の低い問題に力を入れても仕方がありませんので、そういう問題については答えを覚える程度でよいですし、その点でも逆に簡素でよかったなと個人的には思いました。
最後に
前述しましたが、過去問題集を選ぶ場合は次の2点を重視することをおすすめします。
- 一問一答形式であること
- 論点別に分かれていること
なお、テキスト同様に過去問題集についても、店頭で実際に見比べて自分に合う合わないの確認をされてください。
個人的には、質・量ともに十分なこの『社労士過去10年分問題集』がおすすめですので、ご興味のあるかたはぜひ使ってみてくださいね。