社会保険労務士(社労士)とは?仕事内容は?

資格に興味がある方であればおそらく一度は目にしたことのある「社会保険労務士(通称「社労士」)」。

ユーキャンやLEC東京リーガルマインド、資格の学校TACなど、資格取得の専門学校でも人気がある資格で注目される一方、

知らない人にとっては、「社会保険労務士?なにそれ?おいしいの?」状態。

実際、僕自身も友人に職業の話をすると8~9割は、「しゃかいほけんろうむし?へ~、何する人?」という反応ですね。

そこで本記事では、そんな社会保険労務士についてお伝えしていきます。

社会保険労務士とは

社会保険労務士について僕が友人に説明する際は、よく公的機関を例に出して説明しています。

例えば以下の通りです。

裁判所や検察庁(裁判官、検察官)の民間版が「弁護士」。

税務署の民間版が「税理士」。

そして、ハローワークや労働基準監督署、年金事務所の民間版が「社会保険労務士」。

のように説明しています。いかがでしょうか?何となくイメージが出来るかと思います。

そんな社会保険労務士は、労務や社会保険の専門家で、独立はもちろん企業内で人事・総務部門のスペシャリストとしてキャリアップにも役立つ資格と言えます。

仕事内容

仕事内容としては、労務や社会保険関係業務の書類作成や手続きなどを行います。

例えば、法人格のある企業であれば社会保険(健康保険・厚生年金保険)の強制適用となるため、新規適用の手続きが必要になりますし、従業員を雇用する場合には、社会保険に加え労働保険(労災保険・雇用保険)の手続きが必要になります(※細かい要件は省略しています)。

そのほか、従業員の入退社に伴う手続き、産休育休に伴う手続き、業務中や通勤の際の負傷・疾病に関する手続きなど多数あります。

その他具体的な業務としては以下のものがあります。

給与計算

従業員を雇用していればどこの会社でも必ずされている給与計算ですが、「法律や規則通りに正確に」計算することは、実はかなり大変です。

時間外・深夜・休日労働の割増、変形労働時間制の場合の時間外労働、端数処理、年次有給休暇の期間中の賃金等々細かく規定されています。

その煩雑さゆえ、実は税理士事務所や社労士事務所でも給与計算業務を敬遠している事務所もあります。

各種規程作成

会社の憲法と言われる「就業規則」をはじめ、賃金規程、育児介護休業規程、雇用契約書(労働条件通知書)等を作成します。

就業規則等については、ネット上で取得できるテンプレートで十分という意見も散見されますが、ぼく自身はそうは思いません。

平時の際はそれでも良いのですが、問題となるのは有事の際。

具体的には訴訟問題の際に「就業規則に規定しているか」も重要となります。

就業規則の内容が各種法令に違反しないことはもちろん、あまりにも抽象的な内容でも意味がありません。

助成金申請代行

弁護士や司法書士が扱う「過払い金請求」。

税理士や中小企業診断士等が申請支援する「補助金」。

これらのようなお金に直接関係する業務が社会保険労務士の独占業務にもあり、それが「助成金」です。

助成金とは、国などから支給される返済不要な支援金のことです。

助成金は雇用保険に加入している従業員が一人でもいれば受給できる可能性があるのですが、その手続きの煩雑さゆえ申請していない企業が少なくありません。

提出書類も多いですし、賃金が適正に支払われているかどうかや各種規程も細かくチェックされます。

障害年金申請代行

長い人生いつ何時何が起こるか分かりません。

突然交通事故に遭うかもしれませんし、大病を患うかもしれません。

そんな病気や怪我で働くことが難しくなったときに受けられる社会保障制度が、「障害年金」です。

がんや糖尿病、目や聴覚の障害、うつ病、統合失調症等、多くの傷病が支給対象となりますが、障害年金の認知度は低いのが現状です。

また、傷病を負っている方で障害年金を知っていても、自分はもらえないのではないかと思い申請に至らないケースもあると思います。

申請自体は年金事務所で詳しく教えてもらえますし、役所や障がい者支援施設の方に教えてもらいながら自分で申請したという話も耳にします。

ただ、自分で申請したものの不支給になってしまったため、審査請求を含め今後どうすればいいか、といった相談を受けることもあります。

障害年金の申請には、初診日や保険料の納付要件といった受給要件はもちろん、その他注意するポイントがあります。

人生において障害年金を申請することは多くないですし(大多数の方が無縁だと思います)、申請する方でも初めて申請する方がほとんどだと思います。

そのため、自分で申請する場合は何度も年金事務所に通い多くの時間を要したり、中にはポイントを押さえず申請したため不支給になってしまった方もいます。

障害年金を申請される方は、病状や金銭的に本当に困っている方ばかりなので、「障害年金申請代行」業務はそういった方々のお役に立てる非常にやりがいのある業務の一つと言えます。

最後に

もちろん、手続き業務について言えば、それらを企業の人事や総務、事務担当の方がされることも多いのですが、人的・時間的な余裕がない中小企業・零細企業では社労士事務所へアウトソーシングすることが多いように感じます。

実際、創業間もない会社の社長などが不慣れな業務に時間をかけるよりも、専門家に任せて自身は本業に集中した方が結果として安く済むこともありますし、社会保険労務士に任せることでさらに助成金の情報など何かしらのアドバイスを受けられるかもしれません。

助成金は毎年度改定されますし、労働社会保険諸法令は法改正が特に多いため、大企業ならともかく中小零細企業の多くはそれらに十分に対応することはできません。

そんな企業を人事・労務面から支え、助成金の活用で会社の成長を支援することができる職業、それが「社会保険労務士」です。

法改正が多いので継続的な勉強が必要で大変ですが、「人」が働く以上、多かれ少なかれ何かしらの問題は生じるため、社会保険労務士は今後もニーズのある資格だと思います。