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社会保険労務士こそ経済の知識が必要な理由

社会保険労務士こそ経済の知識が必要だと考えています。

より厳密にいえば、社会保険労務士法の目的である「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資する」上で「正しい貨幣観」と「マクロ経済」の知識が必要だと考えています。

目次

社労士法の目的に通ずる「経世済民」

経世済民とは

まず皆さんに知っていただきたいことが、経済の語源である「経世済民」についてです。

経世済民とは、大雑把に言えば「国民が豊かに安全に暮らせるための政治」です。

この経世済民と社労士法の目的(事業の健全な発達と労働者等の福祉の福祉の向上)は密接した不可分な関係だと考えています。

国民が豊かに安全に暮らすために重要なのは「経済の安定」

経世済民のため、つまり、国民が豊かに安全に暮らすために重要なのは「経済の安定」になります。

例えば、景気が悪ければ減税をしたり、公共投資等への政府支出を増やすといった財政政策が必要になりますし、不景気の場合はこれらが合理的な政策になります。

社会保険労務士に関係することで言えば、以下のようなことがあります。

  • 企業や労働者の社会保険料負担の軽減
  • 雇用保険料負担の軽減
  • 企業や労働者への給付金額の増額(助成金など)など

正しい貨幣観とマクロ経済

正しい貨幣観とは

まず、正しい貨幣観とは「信用貨幣論」のことです。

そして貨幣とは、信用貨幣論によれば、交換手段として受け入れられる特殊な「負債」のことです。

つまり、それを発行した人にとっては負債で、それを受け取った人にとっては資産になります。

先の「特別定額給付金」からも分かるように、政府が国債という負債を発行し特別定額給付金という形で支出することで私たちの預金という資産が同額増えました。

私たちが普段使っている紙幣(日本銀行券)が私たちにとっては資産、日本銀行にとっては負債であるのと同じように、国債(国の借金)も私たちにとっては資産、日本政府にとっては負債ということでしかありません。

要するに、国債(国の借金)とは、政府による「通貨発行」なのです。

なお、日本は通貨の発行量を通貨当局が管理する「管理通貨制」の国であり、変動為替相場制の主権通貨国です。

そのため、自国通貨建ての国債(いわゆる国の借金)で財政破綻することはありません。

なぜ「正しい貨幣観」が重要かと言うと、「国債は単なる通貨発行」で「日本に財政的な制約はない」ということを理解しなければ、常に財源の問題がつきまとい合理的な経済政策をとることができないためです。

経世済民に必要なマクロ経済の知識

現在主流とされている経済学は、ネオリベラリズム(新自由主義)と呼ばれるものですが、日本は長年、このネオリベラリズムに基づいた規制緩和や構造改革、グローバリズムといった政策がとられてきたためにデフレ不況・経済停滞が長期化しています。

前述したように、日本には財政的な制約がないにも関わらず、誤った貨幣観のため「財源が無い」との理由で消費税や社会保険料などの国民負担が増加させられました。

その他、年収中央値が100万円も減少、非正規労働者の増加等雇用労働環境の悪化など様々な弊害をもたらすこととなりました。

なおマクロ経済と一口に言っても、デフレやインフレ(デマンドプルインフレやコストプッシュインフレなど)、物価上昇率(CPIやコアCPI、コアコアCPI、GDPデフレーター)、潜在GDP(最大概念と平均概念)などなど、重要な事柄が多数あり、知識の習得は一朝一夕にはいきません。

おわりに

右左の思想は重要では無い

政治や経済、支持政党の話をすると、右翼や左翼といった右左の思想の話になりがちですが、そうではありません。

25年にも及ぶ長期デフレ不況の今、重要なのは右左の思想では無く、積極財政か緊縮財政(緊縮ネオリベ政策)か、反グローバリズムかグローバリズムかが重要だと考えています。

実際に先の参議院選挙の際の世論調査でも、投票先を選ぶ際に最も重視する政策課題は「経済対策」が最多でした。

ちなみに私自身は、愛国心があり(日本が好きですし、そもそも日本語しか話せないため日本でしか暮らせない)保守的な部分もある一方、リベラルな部分もあります(敢えてカテゴライズするならば中道右派でしょうか)。

そのため、右左でカテゴライズする意味は無いと思っており、経世済民や「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上」に資するかどうか、個々の政策で判断すればよいと思っています。

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